雨の名前(後編)

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「春」の雨

・春雨(はるさめ)
春のしとしとと降る雨。「花散らしの雨」とも呼ばれる。2月末から3月にかけて降る雨。

・春時雨(はるしぐれ)
春に降る時雨のこと。「花時雨」とも呼ばれる。

・菜種梅雨(なたねつゆ)
3月から4月の菜の花が咲くころの雨。

・発火雨(はっかう)
二十四節季の「晴明」の頃、しとしとと静かに降る雨。「桃花(とうか)の雨」「杏花雨(きょうかう)」とも呼ばれる。

・春霖(しゅんりん)
3月から4月にかけてぐずつく雨。「春の長雨」とも呼ばれる。

・軽雨(けいう)
春に少しだけ降る雨。

・雪解雨(ゆきげあめ)
冬に積もった雪を解かすようにふる雨。

・催花雨(さいかう)
花の育成を促す雨。「養花雨(ようかう)」「育花雨(いくかう)」とも呼ばれる。

「梅雨」の雨

・卯の花腐し(うのはなくたし)
旧暦の卯月に降る長雨。この時の雲を「卯の花雲」という。

・麦雨(ばくう)
麦が熟する頃(梅雨の時期)に降る雨。

・入梅(にゅうばい)
梅雨に入ること。由来は梅の実が熟す頃に降る雨から。

・栗花落(ついり)
梅雨に入ること。由来は栗の花が散る頃に降る雨から。「堕栗花」とも書く。

・五月雨(さみだれ)
旧暦五月に降る長雨。梅雨のこと。

・走り梅雨(はしりつゆ)
五月中旬から下旬にかけて降り続く、梅雨入り前の雨。

・暴れ梅雨(あばれつゆ)
梅雨の時期の終盤に降る、強烈な雨。

・送り梅雨(おくりつゆ)
梅雨明けを知らせる、雷を伴った雨。

・返り梅雨(かえりつゆ)
梅雨明け後に、再び雨が降り続くこと。「戻り梅雨」「残り梅雨」とも呼ばれる。

・旱梅雨(ひでりつゆ)
雨があまり降らない梅雨。「空梅雨(からつゆ)」「枯れ梅雨(かれつゆ)」とも呼ばれる。

・男梅雨(おとこつゆ)
雨が降るときは激しく降り、雨が止むときはすっきり晴れる梅雨。

・女梅雨(おんなあめ)
しとしととした、雨脚の弱い梅雨。

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「夏」の雨

・夕立(ゆうだち)
夏の夕方に降る、短時間で降る雷を伴った雨。

・神立(かんだち)
神様が何かを伝えようとしている「雷」を指すことから、夕立や雷雨を意味する。

・半夏雨(はんげあめ)
夏至から11日目の半夏生(はんげしょう)の日に降る雨。

・御山洗(おやまあらい)
富士閉山の旧暦7月26日に降る雨。登山者によって汚れた富士山を清めると云われる雨。

・電雨(でんう)
夏に稲妻とともに降る俄雨。

・土用雨(どようあめ)
夏の土用の頃(7月下旬~8月上旬)に降る大雨。

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「秋」の雨

・秋雨(あきさめ・しゅうう)
秋に降る冷たい雨。夏から秋にかけての移行期に現れる、秋雨前線による。

・冷雨(れいう)
晩秋に降る、しとしととした冷たい雨。

・白驟雨(はくしゅうう)
秋に降る、雨粒の大きい激しい雨。

・秋微雨(あきついり)
秋に降る長雨。「秋入梅」とも書く。

・秋時雨(あきしぐれ)
晩秋に降る降ったりやんだりする雨。

・伊勢清めの雨(いせきよめのあめ)
宮中行事である、神嘗祭が執り行われる、陰暦9月17日の翌日に祭祀の後を清める雨。

・秋湿り(あきしめり)
秋の長雨。

・秋霖(しゅうりん)
秋の長雨。

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「冬」の雨

・時雨(しぐれ)
あまり強くないが、降ったりやんだりする雨。傘を差す間もなくすぐに晴れるような通り雨。主に秋から冬のものをいう。

・村時雨(むらしぐれ)
ひとしきり強く降り、すぐに通り過ぎる雨。

・片時雨(かたしぐれ)
ひとところに降る村時雨。地雨性の村時雨。

・横時雨(よこしぐれ)
横殴りに降る村時雨。

・朝時雨(あさしぐれ)
朝方に降る時雨。

・冬時雨(ふゆしぐれ)
晩秋から初冬にかけて降る時雨。

・月時雨(つきしぐれ)
月明かりのちらつく時雨。

・北山時雨(きたやましぐれ)
京都北山区に降る雨の風物詩。

・山茶花時雨(さざんかしぐれ)
山茶花の紅い花が咲く頃に降る時雨。

・解霜雨(かいそうう)
冬の寒いときに、作物についた霜を溶かすように降る雨。

・氷雨(ひさめ)
霙(みぞれ)や雪に変わる前の、非常に冷たい雨。

・凍雨(とうう)
凍るような冷たい雨。

・寒九の雨(かんくのあめ)
寒の入りから9日目に降る雨。

・寒の雨(かんのあめ)
小寒、大寒の時季に降る雨。

・鬼洗い(おにあらい)
大晦日に降る雨。追儺(ついな)と呼ばれる宮中行事に由来するとも云われている。

雨に春夏秋冬の呼び名があるのも、四季がある日本だからこそ生まれたのかもしれませんね。

ッと言う事は雨の多い日本・・・

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